- (1)機械学習・デープラーニングの何がブレークスルーなのか?
- (2)これから成長するのはどの分野か?
をまとめて、
- (3)どんな仕事が求められるのか?
を考えてみました。
(1)機械学習によるブレークスルー
これまでの人工知能ブームでは、2つの課題を解決できなかった。
第1次ブーム : 推論、探索
- 課題1: 迷路などの簡単な問題は解けても、チェス、将棋などでは組み合わせが莫大すぎて、探索しつくすことができないので、解けない。
1回目の冬の時代
- 現実の問題は、計算機に解かせるには複雑すぎる。
第2次ブーム : エキスパートシステムで計算機に「知識」を入れる。
- 課題2: 「知識」を書きだそうとすると、どこまで書いても書ききれない。
2回目の冬の時代
- フレーム問題 : 計算機がタスクを実行しようとすると、計算機は適切な「知識」の範囲を選び出すことができない。「知識」の範囲が狭すぎて失敗するか、あるいは、範囲が広すぎて計算時間が足りなくなる。
- シンボルグラウンディング問題 : 計算機は「モノ」を抽象化した「記号」は扱うことができる。しかし、「モノ」と「記号」を結びつけることができない。それは「意味」が分かっていないから。
課題1の解決 -- チェス世界チャンピオンとプロ棋士に計算機が勝利
弱点
- 良い特徴量は計算機でなく人間が見つけねばならない。
課題2を解決する目処がつき、機械学習の弱点は克服されつつある
- 「現実からどの特徴を取り出すか」を人間でなく計算機にさせることができれば、これまでの難問はすべて解決できる。
- ディープラーニングというブレークスルー : 特徴表現学習
次の課題を解けるか、それとも、3回目の冬の時代か?
- 課題3 : マルチモーダルな抽象化、時系列データからの文脈抽出
- 画像・音声・圧力データを連携させることで、計算機に感情を認識させられるか?
- 生物は視覚・聴覚・触覚を連携させて生きている。
- 動画をばらばらの画像としてではなく、文脈を持つ時系列として認識させることができるか?
- 課題4 : 行動と結果の抽象化
- 機械自身の行為とその結果を、あわせて抽象化できるか?
- 課題5 : 外界との相互作用の抽象化
- 課題6 : 言語理解・自動翻訳
- 課題7 : 知識獲得
(2)成長分野
これまで
- 課題1の解決
- チェス、将棋、碁
現在の注目分野
- 課題2の解決 : データから良い特徴量を自動的に抽出
- 認識精度の向上
- 画像診断
- マーケティング
- 認識精度の向上
これからの成長分野
- 課題3の解決 : マルチモーダルな抽象化
- 環境認識、行動予測、感情理解
- 「ペッパー」のようなロボットに接客をさせる。
- 街中の画像、音声センターからのデータを連携させて、防犯・防災に役立てる。
- 課題4の解決 : 行動と結果の抽象化
- 自律的な行動計画
- 自動運転
- 物流でお客さんに渡すところまで
- 農業の自動化
- 自律的な行動計画
(3)これから求められる仕事
- 課題3の解決 : 種類の異なるセンサーからのデータ収集と予測モデルの連携
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