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在宅勤務にはどのようなオフィスチェアが必要か?

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どのように座れば、腰・肩・首に負担がかからないか? - 数理的手法を使いやすくするためのソフトウェア開発

では、自分にとって体に負荷がかからない座り方がどのようなものかを考えました。 そして、オフィスチェアがサポートする3つの座り方、前傾、中立、後傾姿勢のなかで、 後傾姿勢の座り方が、長時間パソコンを操作する生活では、最も肩・腰・首への負担が小さくなるだろうと結論づけました。

しかし、後傾姿勢サポートというカテゴリーに絞っても、 オフィスチェアは非常に多くの種類があります。 そこで、今度は、このカテゴリのなかで、 どのような椅子が最も効果的に、 体への負荷を軽くしてくれるかを考えます。

どのくらいの後傾角度を想定するか?

まず、後傾の度合いから、考えます。 もちろん、深く後ろに傾いて座るほうが、体への負担は軽くなりますが、 財布への負担は重くなるのが、つらいところです。

深く後傾するには、特殊な机が必要

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図1:オカムラの提唱する低座・後傾姿勢を実現するための机 Cruise と 椅子 Atlas(画像引用元 -- 特集記事 事務所デザイン.COM )

このくらい後傾角度が大きければ、体重が広い範囲に分散されるので、 よけいな体の緊張はほとんどなくなり、リラックスして仕事ができそうです。 私もこういう姿勢で仕事がしてみたい。

しかし、深い後傾姿勢にあわせて、机の天板も傾ける必要があります。 オカムラは、このような姿勢で座れるAtlasと、机天板が傾斜しているCruise をセットで販売していますが、 この机を置くには広い部屋が必要ですし、Cruise & Atlas は高価です。 そのような経済力は私にはありません。

浅い後傾で、良い姿勢を保つには根性が必要

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図2:浅い後傾での模範的な姿勢 (画像引用元 -- 腰痛を予防する椅子の座り方をご紹介!! | ナガサワ文具センター

勤務先では、こういう椅子に座っていますが、このかたのように良い姿勢を保つことができません。 首から下は後傾させつつ、首から上は直立させてバランスをとるというのは、非常に難しいのです。 長時間の仕事で疲れている時に、こういう模範的な姿勢を保てる人がどれほどいるのでしょうか。 私は、しばしば頭が後ろに倒れるような感じになったり、腰が背もたれから浮いてしまったりします。

このくらいの後傾なら、私の経済力でも賄えるかも

やはり、首や頭を支えるには、根性と精神論などよりも、図3のように、 高い背もたれ(ハイバック)とヘッドレストのほうが役に立ちます。

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図3:中程度の後傾姿勢(画像引用元 -- 正しい座り方ができるチェア選びを解説

それに、図2のCruise & Atlas は揃えられなくとも、 ハイバックでヘッドレスト付きの椅子なら買えそうです。 そういうわけで、この図3の座り方をするために、オフィスチェアが満たすべき条件を考えます。

椅子が満たすべき条件

次に、私の経済事情と図3を、具体的な条件に落とし込みます。

財布への負担を軽くするために
  • (a) 消費税込みで15万円以下で購入できること。
腰と首への負担を軽くするために

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図4:オカムラのアンクルチルトリクライニング(引用元 -- CB82JR | フルーエント ローバック メッシュチェア アジャストアーム ブラックボディ ゴムキャスター ハンガー付き | オカムラ オフィスチェアの通販 【送料無料】 | オフィスコム

  • (b) 図3の(1)(2)のように腰と背骨をサポートすること。

    • 腰が背もたれから浮かないように、背もたれと座面が連動して腰を適切な位置に誘導すること。(例えば、図4のように)

    • 背骨の自然なS字カーブを保てるように、背もたれのカーブあるいはランバーサポートが背中を支えること。

  • (c) 図3の(5) のように、可動式ヘッドレストが首と頭をサーポートすること。

    • 上下調節、角度調節で、ヘッドレストの位置を最適化できること。
  • (d) 図3の(3)のように、膝裏と座面先端がマッチするように、座面を前後にスライドできること。

肩への負担を軽くするために
  • (e) 図3の(6)のように椅子を机に近づけた時に、可動式アームレストが、キーボード・マウス操作を妨げないような形で、腕の重みを支えること。

    • 上下調整、左右角度調節、前後調節で、アームレストが腕の下に来て、なおかつ、机天板にぶつからないようにできること。
  • (f) 後傾姿勢でアームレストが肘から遠く離れないように、背もたれが後ろに倒れる時にアームレストも連動すること。(図4のように)

  • (g) 図3の(7)のように、手を机天板に載せた時に前腕が水平になり、(4)のように、足先を前に軽く伸ばせるように、座面が適切な高さになること。

    • 私の場合、机天板の高さ70cm 、座面の高さ46cmで、前腕は水平で、膝は直角になります。(ちなみに、 納得のオフィスチェアが見つかる!試座できるショールームを紹介 に書かれている「最適なデスクの高さ = 身長×0.25-1+身長×0.183-1 、最適なチェアの高さ=最適なデスクの高さ-差尺(座高(身長×0.55)÷3-2cm)」で計算すると、私の身長 178cm では、最適な机天板の高さ = 74.7 cm 、最適な座面の高さ = 44.1cm となり、実際の計測値とは少し違います。)

    • ただ、私が使っている机の天板高さが 72.5cm なので、前腕を水平にするには、座面を 46.0 + 2.5 cm = 48.5 cm として、図3のように足先を前に伸ばすために、フットレストを足先の下に入れるのが良いと考えています。

検討すべき椅子の絞り込み

カタログスペックを調べて、7つの条件(a) - (g) のなかで、6つ以上を満たす椅子をピックアップしていくと、 5種類のオフィスチェアが見つかりました。

はじめはオフィスチェアは種類が多すぎて選びきれないと思っていましたが、 かなり絞り込むことができました。

次は、これらのオフィスチェアを比較するブログ

後傾姿勢サポートのオフィスチェア比較:オカムラ(コーラル、フィノラ、バロン、サブリナ)vs エルゴヒューマン プロ - 数理的手法を使いやすくするためのソフトウェア開発

を書きます。